再生した古民家の梁の見える内観

WORKS 02

築90年・梁を見せる古民家再生

― CONCEPT

曾祖父の建てた家を、孫の代へ

「取り壊すしかないと思っていた」。最初のご相談で、お施主様はそうおっしゃいました。 曾祖父様が建てたという築90年の母屋は、長く空き家で雨漏りも進んでいましたが、 調査に入った棟梁の見立ては「骨は十分生きている」。マツの太い小屋梁とケヤキの大黒柱は、いまの市場ではもう手に入らない材でした。

傷んだ屋根と土台を入れ替え、基礎を補強し、床・壁・天井に断熱を充填。 暗かった田の字間取りは、構造を確かめながら間仕切りを整理し、梁を見上げる吹き抜けの居間に生まれ変わりました。 建具と欄間は元のものを職人が修理して再利用。「おじいちゃんの家の匂いがする」とお孫さんが言ってくれたそうです。

補強した木組みの構造
既存の梁組みを活かしつつ、金物と耐力壁で現行水準まで補強。
再生した玄関土間
広い土間玄関は昔のまま。式台は元の床板を削り直して再利用しました。
和紙壁の落ち着いた寝室
寝室は和紙貼りの壁とスギ床で一新。断熱改修で冬の寒さが一変しました。
庭と母屋の風景
庭の景色はそのままに。縁側からの眺めはこの家の一番の財産です。
― DATA

物件データ

所在地東京都葛飾区
築年数築約90年(昭和初期築)
工事内容全面再生(屋根葺き替え・土台入替・基礎補強・耐震補強・断熱改修・間取り変更・水まわり一新)
家族構成ご夫婦+お子様1人(+週末はご両親が滞在)
延床面積142.40㎡(約43坪)
耐震改修上部構造評点 0.4 → 1.25(耐震診断に基づく補強設計)
再利用した材マツ小屋梁・ケヤキ大黒柱・建具12枚・欄間2枚・式台
工期約8ヶ月

お施主様より:「解体中に梁へ書かれた曾祖父の名前が出てきたときは、家族みんなで泣きました。 壊さない選択肢を示してくれた塚本さんに感謝しています。冬あたたかい古民家になるなんて思ってもいませんでした。」

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